映画『あなたの顔』のツァイ・ミンリャン監督の詩句に心打たれました…
何気なく見ていた映画.comのサイトでこの詩句を読み、今の私はどんな顔なんだろうと思いにふけってしまいました。。。
映画.comのサイトで紹介されていたツァイ・ミンリャン監督コメント
台北の道で、撮影する『道』を探していたとき、ある詩句が頭に浮かびました。
それを書き留めたのが、こちらです。光があり、物語がある。
あなたの顔が語るのは、あなたがこれまで旅してきた時間や場所。
あなたの目に映るのは、混乱と寂しさの色。光があり、物語がある。
あなたの顔が語るのは、愛と、その隠れ場所。
あなたの目に映るのは、輝きと暗闇。これが、この映画の意味です。
目を凝らしスマホの画面を見て、この詩句を何度も読み返していました。
『あなたの顔』のポスターには、
「しわが語る人生、まなざしに映る心。13の顔に浮かび上がる、生きていく哀しみと歓び。」
と、書かれています。
「顔はその人の人生を表す」なんて言葉を聞いたことがあり、年齢を重ねるごとにしわやシミが増え、重力に負けてタルミも生じ、鏡をみるのもイヤになることもありますが、ツァイ・ミンリャン監督の詩句を何度も読んでいたら、私の顔も これまで旅してきた時間や場所を語っており、私の目に映ってきたものは輝きもあり暗闇もあったのだなと思うと、自分の顔が愛おしく見えてきたのです。
もしかしたら、若い頃の顔より 今の顔のほうが好きかもしれません。
瞼がたるんだこともあるのか、若い頃より優しい目になったような気がするからでしょうか。
『あなたの顔』は、台湾に暮らす市井の人々と、俳優、監督のリー・カンションが出演するドキュメンタリー。
予告編を見ましたが、皆さんのお顔をしみじみとみつめてしまいました。
顔に吸い込まれていきそうな感覚をおぼえました。
皆さん、いいお顔をしています!!
目や口元、刻まれた皺が、人々の生きてきた時間を象徴するような。。。
いろんな輝きと暗闇があったのでしょう。
音楽は坂本龍一さんが担当されました。
3年前のある日、僕はヴェニスの浜辺をぶらぶら歩いていたのだが、遠くで「サカモトー」と呼ぶ声が聞こえた気がして、ふと振り返るとツァイさんが満面の笑顔でこちらに手を振っている。
それから数ヶ月後にツァイさんのオフィスから連絡があり、新しい映画のために音楽を作ってくれと。ぼくはすぐにもちろんと返事をする。このように幸福な映画音楽プロジェクトは人生で度々あるものではない。
坂本龍一さんのコメントより抜粋
人間みな、赤ちゃんのときはツルツルスベスベのお肌だったのに、時間の経過とともにゴワゴワカビカビ肌になっていく。。。
時間の経過には人生の様々な経験を経ていくわけで、今ある顔はそれを積み重ねたものが表れているのでしょう。
これから先、何年生きるかは分かりませんが、また顔は変わっていくのでしょうね。きっと。。。
今よりも好きな顔になっていたら本望です?
『あなたの顔』は4月からシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。