『I am ICHIHASHI 逮捕されるまで』を観てみました…
実話なので、観ていて辛くなりました
この映画を知ったキッカケは、映画『怒り』を観た感想のブログ(7月9日)を書いている時でした。
『怒り』の中で起きた未解決事件の犯人が、リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件の市橋達也と重なって見えたところから、市橋達也の手記を元に作った映画があることを知りました。
リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件から10年経ったのですね。
あの当時、この事件はとても衝撃的でした。
ベランダにバスタブを置き、その中に遺体を置いていたことや、白人の綺麗な人が殺されていたこと。
警察官が家に来ていたところを逃げ出したのに、2年7ヵ月も捕まらなかったことなど。
テレビに何度も映し出された、エレベーターの防犯カメラの映像が目に焼き付きました。
そんな逃亡生活を、本人の手記を元に映画にしたということで、気になっていたので、借りて観てみました。
まず冒頭で、顔を自らの手で整形する場面には、力が入り、「う”ーーー」と、唸ってしまいました。
下唇を小さくするために、ハサミで唇を切り落としたんです。
公衆トイレで、消毒液を洗面台にはり、ハサミを火で消毒し、自分の唇をハサミで切り落としました。あたり一面に血が吹き飛びました。
逃亡するために、なんてことをするんだろう、どんな痛さだったんだろうと、目を覆いました。
主演のディーン・フジオカの鬼気迫った演技がスゴかったです。
ハサミを手にはするものの、手が震えて、唇を切っていく時の「うお〜〜〜」という唸り声と、目の演技が、激痛を表現していました。
でもでもどうしても、ディーン・フジオカがカッコ良すぎて、市橋達也に見えなくて、それが難点でした。
ディーン・フジオカは、何をしてもカッコよくて品のある顔立ちなので、日雇いで働くシーンでも、苦労して大変な感じが、あまり出ていないように感じました。
実物の市橋達也も、逮捕された時は、「カッコいい」などと、女性たちからもてはやされ、ファンクラブまであるのかあったのかという話です。
捕まった時の映像は、フードを目深にかぶり、憂いを帯びた顔で、一瞬「ドキッ」とした記憶があります。
逃亡生活、想像を絶する生活だったことでしょう。
何をしても、どこにいても、みんなに疑いの目で見られているような落ち着かない日々。
映画の中で、「名前を変えるのは簡単だった。顔を変えるのも簡単だった。逃げるのも簡単だった。もし、あの時逃げなければ…。僕は自分自身からは逃げられなかった」と。
自分の心の声を話すインタビュアーを登場させ、自分と もう一人の自分(インタビュアー)との会話で、もがき苦しむ市橋達也をディーン・フジオカは演じきりました。
監督・主演・主題歌と1人三役をやりこなしたディーン・フジオカ。
マルチプレヤー、ディーン・フジオカ。
2013年の作品なので、ブレイクする2年も前に、こんなワイルドな役を演じていたのですね。